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執筆者の写真まぐろ 櫛野

ハロウィンらしい話をしよう

ハッピーハロウィン(by布団で虫の息の櫛野)。

どうして血祭りの最中にこいつはエナドリ250mlを一気飲みしたのか。

トリックオアメディスン。菓子とか今要らんから薬くれ。腰と頭が痛過ぎる。あと吐き気もすごい。鎮痛剤と制吐剤くれ。


 * * *


さて、体調不良とはいえエナドリのせいで目も覚めているし、他にできることも特にないのでハロウィンらしくベスの悪魔らしい一面について語ることにしよう。


そもそも最近私達を知った人はベスが悪魔であると知る人も少ないのではなかろうか。

確かに大まかな分類はタルパとかイマジナリーフレンドのようなものなのだろうが、それはそれとしてベスは悪魔である。

とはいっても性質はかなりの善であり、種族上悪魔なだけだ。私やべスに加害しなければベスに呪いなどをかけられる心配はないので安心してほしい。

あとむしろ優しくしてれば加護みたいなのは時々くれる。嬉しい。


 * * *


Blueskyでも語ったことだが、恐らくベスが最も悪魔らしかったエピソードについて再掲しよう。


これは4年ほど前の夏の話。

当時の私はモラハラやDVの気質がある男性とお付き合いしており、その日々の苦しみから気が触れてしまって見たのがベスの姿だった。

最初は「こんな人だけど一緒にいたいの」と言う私に渋々従っていたが、ついに我慢の限界が来た私を見て彼女は提案した。


「この男を殺そう」


しかしこの世には法律がある。それはできないと返したが、ベスは食い下がった。


「何も物理的に殺すことだけが死ではないだろう? 精神的、社会的に殺すこともできる。私達の記憶の中から抹消したり、死んだものとして扱うことができれば、殺したも同然の状態にだってできる」


そしてさらに、ベスは重ねた。


「目的があって結ばれた人間関係は、目的を果たしたなら終わらせてもいいと思うんだ。どうだい?」


私がその男性と付き合っていた目的は、人生経験を積むことだった。その役割は既に果たされたと、ならば終わらせてもいいと彼女は言う。

結果、私は彼女に従って、彼を「殺す」ことにしたのだ。


彼を「殺す」にあたって様々な計画を立てたが、最も重要かつ大掛かりなものとして同居している家からの脱出があった。

ちょうど季節柄お盆が近かったので、お盆に彼が実家に帰った隙をついて家から逃げ出そうという方向性で固まっていた。

しかしここで突然、彼が言い出したのだ。


「やっぱくしにゃんと一緒にいたいから、お盆におうちかえるのやめる!」


ああ、くしにゃんというのは当時のあだ名である。本名+にゃん、という構成だったのだが、プライバシー保護のため櫛野+にゃんで代用させてもらっただけだ。

とにかく、私と一緒にいるためにお盆に帰るのをやめると言うのだ。私は機嫌を損なわないようにニコニコしながら「わぁ〜!彼にゃんくんといっぱいいっしょで嬉しいにゃ!」などと話していたが……

ああ、語尾も彼に強制されたものだ。櫛野の声が怖いからと萌え声+語尾にゃんを強制されていたのだ。意味がわからないよな。私も分からない。


とにかく、これは困った。どうしよう、とベスに伝えるがベスも困った様子。

しかししばらくすると何かを閃いたようで、ベスは席を外した。

数時間後、ベスが戻ってくると同時に彼の電話に着信が。


徐々に低くなる話し声。

どこかそわそわしているベス。

そして電話を切った彼はリビングに戻ると、こう言った。


「お父さんが倒れた。明日の朝一の便で実家に帰らなきゃいけない。いつ帰るかわからないけど、それまで家をよろしく」


えっ、と一言だけ零して固まる私。少し間を開けて、わかったよ、と取り繕う。

ちらりとベスに視線をやると、不敵な笑みをして彼女は言った。


「これで予定通り、だね」


 * * *


翌朝からは本当に大変だった。

彼が帰ってくる前に全ての荷物を荷造りし、宅配便で実家に送り、新幹線を取って帰らねばならないのだから。

もう二人でヒィヒィ言いながら必死に荷造りしたし、途中で休憩に食べたレモンわらび餅の味が今でも忘れられない。

ちなみに彼の父については「家族の誰か、多少の体調不良、って指定したんだけどまさか病み上がりのお父様に当たるとはねぇ」と苦笑していた。


結局、彼が帰ってくる前日に無事脱出は成功した。

そして彼が「実家に帰らせていただきます」の意味を理解できずにストーカーと化したり、そのまま警察沙汰にまでなったりしたのはまた別の話。


 * * *


あれから色々あったし、Blueskyで話したエピソードはここまでなのだが、実はもうひとつの話が……いや、もう一人、ベスと私に「殺された」人間がいる。


本当はその人の話までしてしまいたかったが……駄目だ、眠い。体調も落ち着いてきたし、倍量で飲んだ鎮痛剤がようやく効いてきたようだ。

それに、その人はまだ死んでからそこまで日が経っていない。私の座右の銘は「好意は生モノ、悪意は干物」だ。おいしい干物になるまで、彼の死体は干しておこう。


いつか話せる日が来たら、彼の干物を肴にワインでも飲もう。


 * * *


以下は余談なので気になる人だけ軽く見る程度で構わない。


ここら辺のエピソード、できれば動画にしたいな〜という気持ちがあったりする。

一人目の犠牲者には「フォニイ」が最も似合うだろうか。全てが嘘でできている世界で最も美しい造花が見た、その造花だけが知っている秘密。あいつを送り出した言葉が「またね」であったことも曲と非常にマッチしている。是非やりたいものだ。


二人目の犠牲者には3曲心当たりがある。「ジェヘナ」「消毒」「ザムザ」だ。ザムザだけ作者ごと違うがまぁ仕方ない。

「幸せも宇宙も疑わなくていい、僕らは知らなくていい」と囁きながら、櫛野の濁った心をアルコールで消毒して眠りに誘う彼。そんな櫛野を見て「あんな酷い目にあって、まだ汚い氷底に戻るのか」と訴えかけるベス。まともにケンカもできないまま、変われそうにない毎日を過ごしながら、彼という悪夢にどの指を立てるか悩む櫛野。最終的に彼は殺されている、というのもザムザのMV等を考慮すれば自然に演出できそうだ。

やってみたい。


まぁとりあえず今やってる曲から終わらせるのが先ではあるがね……

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