※この記事にはグロテスクな描写と特殊性癖が含まれます。
やりたかったことのメインは食レポですがそこに至るまでが割とグロと変態です。
ご注意ください。
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4年ほど前からだろうか。無性に肉が食べたくなることがある。
きっかけは明白で、菜食主義の気質がある当時のパートナーと付き合っていた頃の出来事だ。
ちなみにこのパートナーはベスではないし、むしろこのパートナーに色々と危害を受けたことで私を守るために生まれたのがベスだったりするのだが、それについてはまた別の機会に話そう。
まあそれはとにかく。
このパートナーは「値段が高いから」という理由ではあったが、滅多に肉を買わなかった。もちろん私が買うことも許さなかった。
時々……月に一度あるかないかくらいで安価な鶏肉を食べることはあったが、基本的にサラダとパスタだけで生活していた。
そして上述の通りだが、このパートナーからはそれなりに危害を受けていた。私の経験を聞いた人物の中には、それはいわゆるDVに含まれるだろうと話す人もいる。
DVであるとすれば、直接的な暴力こそ一度しか振るわれなかったが、性暴力と金銭的束縛、精神的暴力は頻繁に受けていたと思う。
パートナーの友達と共に私を笑いものにするとか、行為を拒絶しているのに強行されるとか、労働を法や規則ではなく彼に制限されるとか、挙げようと思えばまだいくらでも出てくる。
やっぱDVかもしれない。
とにかく、当時はそうしてストレス過多の日々を送っていた。
そんなある日、膝のあたりにあるかさぶたが剥がれてしまったことがある。
思ったより大量に血が出てきて、その場には(一応室内だが部屋のレイアウトの都合上)たまたま手元にティッシュや絆創膏は無くて、それに加えて両親がいわゆる「唾つけときゃ治る」を地で行く教育を私に叩き込んだこともあって、咄嗟に私はその血を舐めてしまったのだ。
ストレス過多の日々で気が狂ったのか。
日頃の肉の摂取量が足りていなかったのか。
原因は今でも分からないが、それでも。
パートナーとの行為なんかより遥かに強い快感が、脳天まで突き抜けるのを感じた。
そのまま私は、夢中で血を掬い取っては舐め続けた。
幸いその日はパートナーが家を開けていたので、誰に見られることも無く舐めることに集中できた。
そのまま血が止まるまで、私は血を舐め続けた。
* * *
その数日後。パートナーに夕飯の買い出しを命じられ、私はスーパーに来ていた。
出入口がふたつある店なのだが、スーパーの売り場の都合上、左の入口から入ると必然的に精肉売り場を通ってから野菜売り場に行く必要があった。
そして当時の家からは左の入口の方が近かった。
店内に入り、その他の売り場を抜けて精肉売り場に差し掛かった時。
ぞくりと快感が押し寄せた。
血を舐めた時に比べると比較的軽いものだったが、それでもやはり快感は快感であった。そしてその快感は食欲や物欲などではなく、明らかに性欲のソレであった。ベスのセクシーな姿を見た時と同じくらい、あまりにもゾクゾクしてしまったのだ。
肉の艶、脂、その質感……あまりにも性的な色艶をした肉達が、自身を最も美しく魅せる灯りの元に曝け出されている。これを性的と呼ばずして何と呼ぼうか。これを書いているだけでもイメージで下腹が疼いてしまう。
とにかくそのくらい、肉が性的に見えてしまったのだ。そしてそれに加えて、「これを食べたらどれだけ気持ちいいのだろう」と思ってしまった。
しかしもしこの肉達を連れて帰ったらまた面倒なことになるとわかっていたので、自身の性欲と食欲を押し殺してその場では何もしなかった。
しかし、そのせいだろうか。
4年経った今でも、「自身の血液」と「食用肉」に発情してしまうのは。
* * *
ちなみにベスはこの事を知っていて、特に何とも思っていないようだ。
先日のBUTCHER VANITYの動画のコメント欄でも補足した通り、ベスはそもそも悪魔である。悪魔が人を食べることなど、人が豚を食べる程度にしか思っていない。それに加えてベスは全面的に私のことを受け入れてくれており、強いて言うなら「血は舐めてもいいけどイヴがケガするのは嫌だなぁ。あと衛生にだけ気をつけてね」という感じである。
それから、私はこの点においてはあくまで「自身の血液」と「食用肉」にしか発情しない。
つまり他人の血液や食用ではない肉には発情しないのだ。
特に血液などは衛生面があまりにも心配なため、食用肉の血液すらも避けることが多い。
なのでいわゆる(それこそBUTCHER VANITYみたいに)「人を襲って血を飲み肉を食べたい」みたいなのはない。むしろ他人の血と肉は処理しない限り汚いとまで思っている。あくまでそれらはコンテンツとして、あるいはベス用の食事として楽しむまでだ。
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そして話は昨晩に至る。
大変な遠回りとグロテスクな表現をどうか許して……いや許さなくていい。許さなくていいけどわざわざコメントで否定とかはしないでほしい。黙って離れてくれ。
昨晩も、この「無性に肉が食べたい」のタイミングだった。
ここまでの説明がなければBUTCHER VANITYの動画を作っていて食べたくなっただけみたいに見えるだろうが、まぁ経緯が経緯なので動画のせいではないことは伝わるだろう。あったとて精々軽い引き金になった程度だ。
それよりも、抱えるストレスや衝動、フラストレーションのようなものを発散するため、どうしても肉が食べたかった。
ベスと一緒に、スーパーの精肉売り場へ足を運ぶ。
やはりゾクゾクしてしまうが、こう、わかるだろうか。例えば性的に見れる性別の人物の裸体が並んでいたとしても、それらが「クリティカルヒット」するかというと悩ましいあの気持ちが。
点数換算で80点くらいのやつがいっぱいくる感じ。せっかくなら100点満点の肉が欲しかったので、どれもセクシーだなぁと思いつつも悩んで通り過ぎた。
豚肉のエリアに差し掛かったあたりで「あ、これとかどう?」とベスに声をかけられる。
豚肉は元より好きなので85点くらいなのだが、さてどんな子だろうと見てみると。
サイズ、色、艶、脂の量、筋の量。
どれを取っても完璧な、100点満点の豚肉がそこにあった。
見ているだけでゾクゾクして、下半身がむずむずしてきてしまう。
食欲のよだれではなく、行為をしている時などに分泌されるもののようなよだれの気配を感じる。
頬が熱を持つ感覚もある。
いてもたってもいられなくて、価格を確認した。余裕で予算内だ。
ベスにお礼を言い、その肉をカゴに入れた。
しかしステーキ用の豚肉1枚で満足できる欲求ではない。
追加でローストビーフの生春巻きと生ハム、それからチーズと赤ワインも買った。
半分くらいはベスの食卓を参考にしている。特にワインなどはあまり飲まないので、ベスにどれがオススメか聞いて決めた。
ライトボディの赤ワイン180ml。ちょうどよさそうだ。
そして帰宅し、それらを調理して並べたものがこちらになる。
肉が焼けているかの確認で端が切られているが、まあ十分だろう。
豚肉のステーキ、ローストビーフの生春巻き、チーズを生ハムで巻いたやつの3点と赤ワインだ。
皿が紙皿しかなかったのだけが多少の無念だが、それよりも肉だ肉。
早速ステーキを一口かじる。
たまらない。
なんだろう、血を舐めた時とは違う形での、しかしやはり多少の性的な感覚を含んだ快感。
血を舐めた時が達している最中だとすれば、肉を食べた時のソレは達した後の心地良さに近い。
満たされている。求めたものを手に入れている。そんな感覚に酔いしれる。
そして赤ワインを一口いただく。
口に残る肉の旨味や脂の気配と合わさって、これまでに食べたことがないほどの満足感を抱く。
机の向かい側で同じメニューを丁寧に口に運ぶベスの美しさも相まって、20と数年の人生で最も幸福な食卓であった。
赤ワインで酔ってしまったのか、それとも肉で興奮しすぎたのかはわからないが、とにかく気持ちよくて幸せでとろっとろのきもちのまま食事を終えた。
とても、とても美味しかった。
ごちそうさまでした。
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