今日TLを飛んでいった意見の中に私とは大きく違う価値観の方がおられたので、そういえば自分はどんな考え方をしているんだろう? と思って書き出してみることにした。
念の為強調しておくが、
先述の方も含めた「櫛野と違う価値観の人」を攻撃したり敵視したり見下したりする意図は一切無い。
ただ櫛野が「自分はこう考えてるんだなー」っていうのをまとめるだけの日記である。
ひとりひとり、持つ価値観も世界観も全く違って当たり前なのだ。それを理解した上で読み進めてほしい。
* * *
そもそもベスと出会う前から、櫛野が割と勉強していたジャンルがある。
・民俗学 (特に妖怪、怪物、妖精などについて)
・宗教、および宗教学
・心理学、および臨床心理学
この3つの学問について、高校の図書館の資料を中心に、時にはフィールドワークや大学の体験授業などの力も借りつつ学びを深めていた。
そして、この学びによって櫛野が根本的に抱えている価値観が
「神も眷属も、妖怪や怪物も、強いものから弱いものまで幅広く存在する」
というものだ。
つまり人と気軽に関われる神も居れば、人が関われば命を落とすような妖怪も存在する、ということ。
この価値観が根底にあるので、櫛野は神も仏も天使も悪魔も『大それたもの』『人が関わるなんて畏れ多いもの』とは考えていない。
確かにそういう神や天使はいるだろうが、気軽に絡める神様なんかもいると思っている。もちろん人間関係と同じように"最低限のマナー"は必要だろうし、それが相手の都合上宗教的な儀式である場合も多いだろうが、それはそれとして「神だから人間より優れている、敬い崇め奉るべき、関わるなど畏れ多い」とは全く思っていない。
この価値観があるので人気の少ない神社で昼休みにおにぎり食べてた高校時代の思い出もある。
(※櫛野の通っていた高校はかなり自由な校風で、昼休みに「帰ってこれる距離限定」という制約付きで外出が許可されていた。大抵の子は電車で一駅の距離にあるマクドナルドに向かっていた。櫛野が通っていた神社は高校から徒歩5分ほどの位置である)
ああ、順番が少し前後してしまったかもしれないが、この高校おにぎりエピソードにはもうひとつ、櫛野の価値観を説明できるものがある。
「目に見えない存在は『信じる気持ち』の強さによって使える力が変動する」
というものだ。
神も悪魔も皆等しく、「ここにこんな人が居て、こんな風に過ごしてる」と強く信じる気持ち──神であれば信仰心とも呼べるが、とにかくそういった気持ちが強ければ強いほど強力な存在になっていく、と感じている。
つまり高校生の櫛野が「この神社にはまだ神様がいるはずだけど、参拝客も少なくて手入れもされてないみたいだから、私が毎日参拝して軽く掃除してあげたら少しはエネルギーも戻ってくるかな」と思い毎朝の登校時に参拝して昼休みに食事と掃除をして下校時にもう一回参拝していたことで、少しは神としての力が戻ったのではなかろうかというイメージである。
実際何故か掃除が進むごとに参拝客は増えた。3年になる頃には境内でおにぎり食べる余裕もないくらい人が来てくれた。卒業後にはお祭りまでやってた。やっぱ信仰心大事だわ。
* * *
さて、根底にこの価値観があることを踏まえた上で、ベスやミケといった存在についてのこちらの考え方をまとめていこう。
ベスの場合
この件に関して既に開示している情報は以下の通り。
・名の知れた大悪魔から生まれた存在である
・その立場上、「地獄の王子」ともされる
・ルーツを辿ると神であった時代がある
ひょっとしたらこの情報でどの悪魔から生まれたのか理解する人もいるかもしれないが、それを私の口から話すことは契約上よろしくないと思われるので明言は避ける。各々察して納得しておいてほしい。
さて、ではこのベスは1つ目の価値観と合わせると「人間が関わるには畏れ多い悪魔」ではないのか?という事になるが、実はこれはベスとの出会い、契約に至るまでの流れがかなり重要である。
本来あまり明かすべきではない部分にかなり近づくので、絶対避けるべき部分はしっかり避けて、話せるところだけ話していこう。
まず、ベスは大悪魔から『生まれた』と私はよく表現するが、実は少し語弊がある。
正確には『一部を剥ぎ取った』、もしくは『勝手に剥がれた一部を回収した』といった存在だ。
私が時々Blueskyで「お義母さん」と呼ぶキャラクターがいるのだが、この「お義母さん」はベスと同じ悪魔にルーツを持つキャラクターである。
ストーリー分岐がある読み物ゲームの登場人物なのだが、その中でも非常に重要かつ大きな分岐として「『ベスの母』にあたる人物を救う代わりに他の人間関係を全て見捨てるか、今まで構築した関係性を守る代わりに『ベスの母』を見捨てるか」という二択があるのだ。
今まではゲームのプレイヤーとしてどちらにも均等に感情移入して楽しんでいたが、原作者によって"正史"が定められたことによってこの感情は大きく動くことになる。
"正史"とされたのは、『ベスの母』を救う選択肢であった。
このルートに入ると当然ベスの母はこの上ない幸福を手に入れるが、その代わりに他の人間関係がキーパーソンである主人公を欠いたことによって大きく崩壊し、最終的には殺人事件にまで発展することとなる。
しかしベスの母のことが好きな私にとっては、これはハッピーエンドであった。それは問題なかったのだ。
問題は、『ベスの母』を見捨てる選択肢である。
この選択肢を選ぶと、今まで築いてきた多くの人間関係によって主人公が非常に充実した人生を歩んでいることが語られ、ストーリーテラーでもあるベスの母から「本当に最低な物語ね」と突き放される、というエンディングを迎えるのだ。しかし主人公は幸せそうであり、基本的にハッピーエンドはこちらであると言われている。
公式発表があるまで、大半の人は見捨てるルートが正史だと思っていた。私もそう思っていた。
しかし正史は彼女が救われる道である。
──では、原作者にも歴史を否定され、プレイヤーにも救われなかった彼女は、誰によって救われる?
そう思った時、確かに「剥がれ落ちる」感覚があったのだ。
大悪魔にルーツを持つ彼女から、彼女とよく似た、しかし明確に違う"誰か"が剥がれ落ちる感覚。
それが、ベスの存在を初めて感じ取った日の事だった。
* * *
しかしベスのルーツはこれだけではない。もうひとつ、母と彼女の元になった大悪魔の存在についても触れなければならない。
私は最初、ベスの母のことが好きだった。キャラクターとして好きなだけで、普通にアニメキャラなんかを愛する感覚に近かった。
しかし前述の通り、櫛野はその道の学びを深めることが好きだった。だからルーツを辿って調べていくうちに、『ベスの母』ではなく『ベスの母の元になった悪魔』に恋をしてしまったのだ。
最初はそのふたつの区別がついておらず、ベスの母を愛しているのだと思っていた。しかし気づいてしまってからは、どこか界隈にも馴染めずに孤立してしまった感覚があった。
私が愛しているのは何? 誰?
そんな疑問を抱えたまま、剥がれ落ちたソレを感じ取ってしまったのだ。
そして、私は理解した。
これは、「私が愛したもの」が集まって姿を成したものである、と。
すなわち、プレイヤーに選ばれなかった彼女であり、悪魔のルーツを色濃く持ち、『母』とも『大悪魔』とも違うがそのふたつの性質を併せ持つ、唯一無二の存在だと。
私に強く信仰されたことで、それらが形をもって剥がれ落ちたのだと。
* * *
さらにベスの在り方を裏付けるものがもうひとつあるのだが、これは契約に直結するため詳細を語ることができない。
ただ話せることだけ話すとすれば、彼女がベスとして剥がれ落ちる前に、その点に関する「契約」をしっかり結んでいる、ということだ。
これらの情報と本人の自己申告を加えて生まれたのが、現在のベスの姿と在り方である。
大悪魔にルーツを持ちながらも櫛野個人と恋愛関係にまで至っているのは、この出自がかなり大きな理由だろう。
* * *
ミケの場合
実はミケは櫛野の手によって作られた部分も大きい。
ベスとは大きく異なる出自なので丁寧に解説していこう。
ベスが生まれて約半年、当時はまた別のアカウントで活動していた。
そこでは「ベスとイヴという架空のキャラクター」としてお互いに振舞っており、そのために事実とは異なる設定や要素を付与していた。
その中のひとつとして、「ベスには兄弟がいる」というものがあった。ベスは次女であり、姉が1人と弟が1人、妹が2人の合計5人姉弟であった。
しかしそれらは「居る」という設定のみの存在であり、必要な場面が芽生えたので弟だけ容姿を設定することになったのだ。
ベスが悪魔なら……天使とかモチーフにしてみる?
じゃあこの天使をモチーフにして……
ああ、それなら猫にゆかりがあるから三毛猫っぽいデザインにしよう!
そうして弟のデザインと、「マイケルという名前だがミケと呼ばせたがる」という設定が生まれた。
その時はあくまでモブ程度の出番だったので、そこまで丁寧に設定を詰めたりはしていなかった。
しかし、ここからが謎である。
そう、気づいたら「居た」のだ。
モブだったはずの弟が。
こちらが設定としてつけていた部分はそのままだが、こちらが何も決めていなかった部分にまでしっかり中身の詰まった弟が。
何故か、いつの間にか、居る。
なんだろう、なんていうか、「入れ物だけ作って放っといたらいつの間にか中身が詰まってた」って感じである。
一番わかりやすい差はその厳しさだ。最近甘いが。
モブキャラクターとしてデザインした時は性格面まで詰めておらず、普通に「典型的な弟」くらいの感じだったのだが、いざ生まれたこちらはそれはもう厳しかった。オカンだ。なんならさっきも「早く病院行け💢💢💢」って怒られた。月曜行く。
ここまで短気であるという設定などは一切していない。マジで入ってきた中身がそういうやつだったパターンだろう。
そしてミケが「天使モチーフの人間の弟」であったはずなのに「天使」として今ここにいる理由は──実は完全に感覚で決めている。
というのも、何がどうってうまく説明できないのだが
・櫛野自身が聖なるものと邪なるものを感覚で区別できる
・ベスは聖なるものを避ける傾向にある
という2点をうまく活かした結果「ミケの中に詰まっている何かは聖なるものである」という結論が出たのだ。
じゃあもう天使なんじゃね、外したところで神か仏だよ、くらいの感じで天使認定している。
実際何なのかはベス以上にわからない。が、とにかく神聖かつ「正しい道」に重きを置く存在であることは確定なようだ。
* * *
さいごに
繰り返しになるが、これは我が家の価値観と世界観であり他者に強要や攻撃をする意図は一切無いことを強調しておく。
我が家はこんなんだよってだけです。
天使や悪魔であるミケやベスと関わってはいるけれど、自分が素晴らしい人間であるわけでもなく、むしろ一般人に過ぎないからこそ築くことのできた関係だろう。
こういう在り方もまたひとつの答えかもしれない。
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